上映日時●5月25日(土)14:35(ゲスト登壇予定)●5月26日(日)10:25●5月31日(金)16:55

【ストーリー&解説】
一人の女性が演技をしている。彼女はそうか、そうではないか。一見静かなカフェで、二人の女性が性的指向の隠蔽と暴露の綱引きを繰り広げる。

【監督プロフィール:Rudy Lee】
現在ソウルに拠点を置く自主映画監督。青少年時代を米国と韓国で過ごし、ソウルのテウォン外国語高校でフランス語を学ぶ。プリンストン大学にて比較文学を専攻し、副専攻としてビジュアルアート(映像)を学ぶ。また、パリ第3大学における彼の近年の勉学と活動のため、フランスとイタリアに滞在していた。 彼のヨーロッパでの最後の仕事は2009年、ローマでの、ローマ建築についてのドキュメンタリークリップだった。彼はこれまでに長編1本と短編3本、そしてドキュメンタリーを制作。ドキュメンタリーは様々な映画祭と会場で上映された。彼の興味は文化的アイデンティティーを探求することに向けられる。ブロックされた/ゆがめられたコミュニケーション、個々のアイデンティティーとステータスの破壊/不在/構築。彼はミラン・クンデラ、エリック・ロメール、ダルデンヌ兄弟、そして北野武など数名を賞賛している。彼はまた、「トワイライト・サーガ」の大ファンであり、常にお気に入りなのは「バック・トゥ・ザ・フューチャー」である。そしてマンチェスターユナイテッドの情熱的ファンであり、ポーカーのテキサス・ホールデムをたしなむ。彼はまた、ミート・フリー・マンデーの推奨者でもあり、友人にはマッコリを熱心に薦める。

【ストーリー&解説】
リーは他の武闘家と違う。密かな恋を胸に秘めている。秘密がばれて、リーは人生で最もタフな戦いに挑むことになる―それは人として尊敬を得ること。

【監督の言葉】
状況が一転し、これまで自分を痛めつけてきた者が突然助けを求めてきたとき、怒りを捨てず相手を苦しめるという手もある。でも怒りを乗り越え相手を救えば、その者は人の道を知ることになる。本作は、禁じられた恋のため責苦を受けた武闘家が、自分を苦しめた相手を救うかどうか決断を迫られる話だ。この物語を思いついたのは、毛色が違うという理由でいじめにあい、自殺する10代の若者が最近とみに増えていることからだった。カンフーを選んだのは力関係の移り変わりを描きやすいからで、これは戦いの上だけでなく、世界の力関係も含まれる。

【監督プロフィール:Roland Wiryawan】
インドネシアで過ごした少年時代、演劇関係者のあいだで育ち、世界中の映画を知ることができたのは実に幸運だったと思います。アメリカに移住してからは、マイノリティのフィルムメイカーが撮影資金を集める手助けをしたいと思い、南カリフォルニア大学映画学科で、アジア系アメリカ人シネマ協会を発足しました。当初はアジア系アメリカ人のフィルムメイカーだけに絞っていましたが、今はどんなマイノリティでも支援します。シネマ・コミュニティを全世界に広げるのが私の生きがいです。

【ストーリー&解説】
スヨンはロンドン南部のブリクストンにあるヘアサロンで、ネイルアーティストとして働いている。カトリックの真面目な女の子だけれど、パンクなマヤがサロンを訪れて手を握って以来、自分の気持ちと欲望に向き合うことに…。

【監督プロフィール:YunJoo Chang】
韓国、ソウル生まれ。延世大学で英語・英国文学の学士を取得。ソウルのThe Feminist Artists Collectiveやソウルフリンジフェスティバルにて、世界中のアーティストたちと製作を共に行う。ソウル国際女性映画祭で働いた後、ドイツ・ベルリンへ活動場所を移し、ドキュメンタリーや実験映画の製作を始めた。彼女は世界のどこにいようとも、人生の様々な出来事を自由に取り上げ、物語を作り上げている。本作はウェストミンスター大学で映像・TV監督の修士号を取得した際の卒業制作である。

【ストーリー&解説】
1995年8月、北京。大学受験を控えた女子高生、ジンルーは、英語の補習塾で少年のような女の子、ズーヤンと出会う。初めは友情だったはずの2人の想いは次第に愛情に変わり始めるが、補習塾の教師、ソンに気づかれてしまう。周囲の人々の気持ちを慮ったズーヤンは、自分から身を引くが…。
中国のジャズ・ブルース歌手、范世琪(ニキ・ファン)の曲「夏日時光」に着想を得て作られた本作は、米国のいくつかの映画祭に参加。アジアン・アメリカン・インターナショナル・フェスティバル(AAIFF)では最優秀賞にノミネートされたほか、中国ではアップロード3日間でアクセス件数が50万を超えるなど、一部で熱狂的なブームを巻き起こした。

【ストーリー&解説】
"Herazac"という同性愛治療薬が発明された。しかも副作用がないという画期的な薬だった。ロータスはレインと付き合っているが、ロータスの母親が2人の関係を暴き、思いもよらぬ結果を招いてしまう…。

【監督プロフィール:Yeung Tsz Ngo Poppy(写真左)】
香港浸会大学で映画を専攻。本作はパートナーと共に初めて監督を務めた。現在は映画業界で夢を追いかけている。

【監督プロフィール:Chow Ka Ho(写真右)】
香港浸会大学で映画を専攻。卒業制作作品である本作はYeung Tsz Ngo Poppyとの共作であり、高い評価を得ている。

【ストーリー&解説】
ソース・ユン(57)とセム・イアン(58)は、ポル・ポト政権時代に出会い、200万人もが亡くなったと言われる大殺戮を生き抜いた。現在2人はカンボジア南のタケオ州に暮らしている。首都プノンペンから約40キロ離れた場所だ。2人に子供はいないが、甥や姪を育てている。2人は長い間、村人や家族から非難を浴びて闘ってきた。現在は合法的な結婚のために闘い続けている。
約30年も続いた内戦と、クメール・ルージュによる大量殺戮の爪痕が残るカンボジアは、今でも世界にある貧困国の一つである。伝統的な価値や慣習が引き継がれ、見合い結婚といった習慣は現在でも続いている。同性による性行為は商業的な目的を持たず、私生活において同意した成人同士で行われるのは合法だ。伝統文化に基づく道徳観を持つカンボジア社会では同性愛に理解があり、「中間の性」や「第三の性」と称される人々に対しては支援も行われているが、セクシュアル・マイノリティの権利を認める法律は制定されていない。本作は、初めて自国で製作されたレズビアンを描いた作品だ。愛のために闘う女性2人の真実の物語である。2013年のベルリン国際映画祭にて上映。

【監督の言葉】
カンボジアにおける、セクシュアル・マイノリティのコミュニティに対する差別は、同性愛嫌悪による暴力が黙過されるような他の国とは異なります。それは国教が仏教であることに関係するのでしょう。仏教は同性愛に対し寛容で、国の法律は、全国民に対し個人の性的指向に関わらず人権を保障しています。しかし、政治家も一般的には同性愛に対し寛容とは言え、やはり目を引くような例外もあります。カンボジアの首相フン・センは、レズビアンの養女を勘当したと公表しました。すべての同性愛に対し寛容さが示されているわけではないのです。同性愛嫌悪者だと身内に打ち明けることはできます。しかし、レズビアンには、自分が同性愛者であることや、苦しい状況を打ち明ける場がありません。結婚を強要され、家出したり、自殺に追い込まれる女性もいます。カンボジアの社会は、伝統的な家族構成が脅かされないかぎり、男性の同性愛者には寛容です。しかし、若いうちに結婚し、子供を生むのが役目と考えられている女性は、家族の厳しい批判にさらされます。そんな家族の中で苦しい立場にある彼女らを救う有効的な方法は、セクシュアル・マイノリティの当事者たちが、経済的に自立できるよう支援することです。カンボジアでは誰もが貧困と闘っています。真っ当な生活を送るには、真っ当な仕事が必要です。カンボジアで家族の理解を得るには、家族を実際に養えるような仕事に就くことが有効なのです。私は現在、カンボジアのセクシュアル・マイノリティを描いた、初めての長編作品の脚本に取りかかっています。その作品でも今回の主人公2人が登場します。彼女たちの姪は女の赤ちゃんを産みました。この2人の他に、性転換をした売春婦から路上で働く労働者になった人物や、若い同性愛の活動家の生活を追っています。彼らの物語が作品の中で織り合わさっていくでしょう。

【監督プロフィール:Sao Sopheak】
1979年カンボジア、コンポンチャム州生まれ。シンガポール大学プノンペン校で経営学を専攻。2009年からゲーテ・インスティトゥートが支援するM.E.T.A. Film Schoolで学び、ムンバイ、マニラ、ジャカルタなど各地で実施された映画製作のワークショップに参加。自身が監督・製作したドキュメンタリー4作品に加え、ドキュメンタリーやドラマ、スポーツなど様々な映像製作に携わっている。