■『ランドセルの秘密』ストーリー+解説:

「いつからだったか忘れてしまったけど、リストカットを始めました…」

「女の子達は、盗んだ銃で復讐したいと…。彼女達を落ち着かせたかった…」

「小学校の頃からポルノを見てたわ。いつもセックスに憧れてたの…」

大学教授であり映画監督でもあるリン・タイジョウは、学生たちによって書かれた何千枚もの論文、レポート、日誌を10年間、読み続けてきた。与えられたテーマとは別に、そこにはしばしば絵や、メモ書き、写真、ラブレターなど、プライベートなことが記されていた。リン監督は、そこから学生たちの荒れた私生活をつぶさに知ることができた。

リン・タイジョウは3人の学生を呼び、彼らの物語をドキュメンタリー映画にした。本作は、ドラマ、アニメ、匿名インタビューを織り交ぜて、無謀な自暴自棄や混乱に満ちた3人の学生たちの過去を綴っていく。不遇な環境で育ったにもかかわらず、3人は美しく勇敢な魂を持って、何年ものあいだ隠し持ってきた傷跡に触れる。その過程を通じて彼らは成長し、大人になっていく。

このドキュメンタリーは、家族、性、暴力にかかわる若者たちの複雑な人間関係を掘り下げている。困難な青年時代を送る新しい世代の若者たちが直面している、ザラついた現実を目の当たりにしたとき、監督自身が抱いた不安と懸念を、ナレーションで明かしている。



■監督プロフィール:

リン・タイジョウ


1968年生まれ。美術を学んだ後、いくつもの洗練された短編映画を完成させた。英国で修士学位を得てまもなく台湾に戻り、1997年に雲林科大で教鞭をとり始める。リン監督の映画は台湾内で非常に多くの賞を獲得したほか、2002年のベネチア国際映画祭を含め、国際的な映画祭でも上映されている。




■フィルモグラフィー


1.The Secret in the Satchel(2007)

2.Sangsara (2007)

3.The Willow River (2006)

4.Bardo (2005)

5.I Don’t talk (2002)

6.Blue Plague (2002)

7.Chichi, the Monster (2000)

8.The Money that Kills (2000)

9.Deterioration (2000)

10.A Piece of Work for Myself (1999)

11.Waves (1997)

12.Landscapes in the Dream (1996)

13.Afterimage (1994)

 

■『ジョナサン!』ストーリー+解説:

ジョナサンは“人魚姫”になりたいと願う4歳の男の子。プリム祭で人魚の格好をするのは異例だとわかっているけど、人魚姫になる絶好のチャンス。ジョナサンの葛藤は、普通の人を装うためのあきらめや妥協と、自分のファンタジーを大切にしたい願望との衝突を象徴する。


■レビュー:

一等賞 ーー『ジョナサン!』

審査員の満場一致で一等賞はアディ・ヘルマン監督の『ジョナサン!』に決定。いろいろな点において完ぺきな映画と言える。4歳の男の子の繊細な部分---夢や葛藤まで巧みに表現した作品。


非常に丁寧なカメラワークが観客をジョナサンの世界へといざない、彼と同様、無限に広がるファンタジーワールドを求めるようになる。監督の観客に好感を与えるシンプルな撮影方法と、ジョナサンの魔法に感謝したい。



■監督プロフィール:

アディ・ヘルマン


アディ・ヘルマンは現在、テルアヴィヴ大学のMFAテレビ映画研究上級コースの学生である。同時にカメラマン、編集者、監督、ヘブライ大学での教員としても活躍中。現在は「モシェ・ダヤン66」というドキュメンタリーの編集、監督、撮影作業に共作で携わっている。これはテルアヴィヴ大学の「ビルディング」プロジェクトへの参加でもあり、プロジェクトの映画は2006年テルアヴィヴ大学国際映画祭で上映された。


■フィルモグラフィー


1.Jonathan(2006)

 

『ランドセルの秘密』は、大学教授でもあるリン監督が、学生たちのレポートの隅に書かれた数々のいたずら書きから、彼らの荒れた私生活を知り、家族、性、暴力に関わる学生たちの複雑な人間関係を掘り下げた貴重な作品。ーージョナサンは“人魚姫”になりたいと願う4歳の男の子。プリム祭で夢だった人魚の格好をしたいけど、でも…。幼いジョナサンの中で巻き起こる葛藤を、丁寧なカメラワークで見つめた傑作『ジョナサン!』。ーーアンダマン海の島々に住み、生活の大半を海上で過ごすという少数民族、モーケン族。彼らには、その存在が脅かされている現実がある。『モーケン、だよね?』は、モーケン族と、島の男たちを目当てにモーケン村へバカンスに訪れたゲイのヴォーとの交流を、フィクションとドキュメンタリーを交えて描いたユニークな作品。大爆笑コメディ『真昼のゴースト』(AQFF2007で上映)の監督の最新作!

■タイトル:ランドセルの秘密

■原題:The Secret in the Satchel

■監督:リン・タイジョウ/LIN Tay-jou

■制作国:台湾/Taiwan

■制作年:2007年

■上映時間:51分

■日本公開情報:日本初公開

■受賞歴:

★Asian Documentary Golden Award

- Shanghai TV Festival




■タイトル:ジョナサン!

■原題:Jonathan

■監督:アディ・ヘルマン/Adi Helman

■制作国:イスラエル/Israel

■制作年:2006年

■上映時間:15分

■日本公開情報:日本初公開



■タイトル:モーケン、だよね?

■原題:Moken, right?

■監督:タャート・ダットサテェーン、ピサーン・セェーンチャン/Mr.Taryart Datsathean & Mr.Phisan Sangjan

■制作国:タイ/Thailand

■制作年:2006年

■上映時間:40分

■日本公開情報:日本初公開

■受賞歴:

★The Audience Choice Award

- Moken way Campaign

■『モーケン、だよね?』ストーリー+解説:

モーケンは、遠くアンダマン海の島々に住み、「海のジプシー」とも呼ばれる少数民族である。バンコクからモーケン村へ、島の男たちが目当てのバカンスに訪れたゲイのヴォー。彼がやがてモーケン人とゲイの自分との間に見出すつながりとは…?


■監督の言葉:

本作は、タイの離島に暮らす少数民族と、出会いを求めてバンコクからやって来た1人のゲイの交流を描いたドキュメンタリーである。

登場人物中、役者は1人。他は全て、モーケン村の一般の人々だ。フィクションとドキュメンタリーが入り混じる本作は、ちょっとヘンな映画だろう。

でも、ドキュメンタリーの技法としてはよくあるのだろうか。外国の観客の皆さんには、本作中の会話の妙やモーケン人の痛みはあまりピンと来ないかも知れないが、観終わって彼らに親しみを持って頂ければと思う。

タイ人を取り巻く環境の変化の速さは、他の国と変わらない。そんなタイの急速な変化の様子も、本作から透けて見えるだろう。

そして何よりも言いたいのは、あの小さな島でモーケン人の彼らと共に本作を撮った10日間が、僕たちの人生最良の10日間となったことである。


■監督プロフィール:

タャート・ダットサテェーン



1982年バンコク生まれ。カセサート大学工学部卒。同大学三年在学中に『The Coin』を制作費10ドルで撮ったのを皮切りに、多数の短編映画を監督。2003年からピサーン・セェーンチャンと共同監督で自主制作映画を撮り始め、現在に至る。



ピサーン・セェーンチャン




1978年タイ国ナコンサワン生まれ。カセサート大学農産業学部卒。2003年から、タャート・ダットサテェーンと共に短編映画やドキュメンタリーを撮っている





■フィルモグラフィー


タャート・ダットサテェーン


1.Moken, right?(2006)

2.Daylight Ghost(2003)

3.She(2003)

4.Ouch !(2003)

5.Imagine(2003)

6.MV: Adventure(2001)

7.The Coin(2001)


ピサーン・セェーンチャン


1.Moken, right?(2006)

2.Daylight Ghost(2003)

3.She(2003)

4.Ouch !(2003)

5.Imagine(2003)

 





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