■『一夜限りの関係』ストーリー+解説:
本作は、ゲイカップルの進展する関係における、シリアスで、時に退屈な一考察である。ビジネスマンのサムは、恋人ポールが嫌がるにも関わらず、たびたび不特定多数のパートナーを家に連れ込んでいた。しかし、たくましくてイケメンのジグスが2人の前に現れたとき、サムとポールの長く、混乱した関係に終わりの兆しが訪れる…。
■監督プロフィール:
エドアルド・ロイ・ジュニア

エドアルド・ロイ・ジュニアは、若手監督で、数本の短編映画を制作・監督している。そのうち、受賞作品は、「Ulirat」(2002 年のフィリピン映画アカデミーでベスト短編映画)である。現在は、「Bliss」という長編映画を撮影中である。
■フィルモグラフィー
1.Bliss
2.The Longest One Night Stand(2006)
3.On Both Ends
4.ULIRAT(2002)
■『ロスト&ファウンド』ストーリー+解説:
デリー。摂氏42度。ふたりの赤の他人。満員のローカルバス。刺激をもたらす揺れ。手。欲望。目。夢想。通路の間で愛し合うふたりの障害、人違い、筋肉隆々のライバル。間違いつづきのコメディは、やがてお気楽で愉快なクライマックスへとなだれこんでいく…。
サイレント短編映画シリーズ『ジンボ』のなかの1作。シリーズでは、ジンボという名のありふれた主人公が、愉快で奇妙な状況におちいる様子が描かれている。
■制作ノート:
本作は、たった1日で撮影され、完全に編集された。しかも映画全体の予算がゼロだったため、応援に駆けつけた友人たちに助けられての撮影となった。企画から完成にいたる制作のすべてを、監督でもあるシュレニクが1人で手がけている。でもそれは決して楽な作業ではなかった。ロケは事前の準備や、バス当局への予約もなしに、通りかかった地元のバスの車内で敢行された。バスは満員で、揺れが激しい上に(カメラを回していた監督は、バスの運転手がブレーキをかけるたびに倒れかかった)、とてつもなく蒸し暑かった(映画を撮り終えたころには、クルー全員が汗まみれだった)ので、撮影は苦労の連続だった。登場人物たちの親密なシーンの撮影では、多くの乗客を怒らせたが、それでも撮影は続けられ、やがて乗客たちも直接的あるいは間接的に映画の一部になっていった。
この映画を作る特別な理由はなかった。ただその状況が「起きた」のだ。シュレニクの場合、映画のアイデアは、旅行中や、異なった土地を訪ねたり、ユニークな人に出会ったりしたときに突然わいてくる。そのアイデアを、彼は摩訶不思議な状況に落とし込むのだ。
それまでにシュレニクが見たクィア映画のほとんどは、なんらかの問題を絡めていた。だが、彼はゲイの映画をそういうものにしたくなかった。そうして、観る人誰をも笑顔にさせずにはおかない、愉快なコメディが誕生したのである。
けれどもこの映画は、チャップリンやローレル&ハーディに触発されて作られたわけではない。彼がサイレント映画という形を選んだのは、セリフなしに物語を伝えるほうが難しく、だからこそ、特別な映画ができると感じたからだ。サイレントというテーマに合わせてモノクロにし、ひっかき傷のような線を走らせたスクラッチ画面は、クラシックな雰囲気をかもしだしている。
■監督プロフィール:
シュレニク

■フィルモグラフィー
1.Lost & Found(2007)
■『恋のオーディション』ストーリー+解説:
バンコク。2人のゲイの若者が、ある賭けをすることになる。「今後1月間、
セックスの時は、いつでも、どこでも、誰とでもコンドームを使うこと」。賭けに勝つために、普段とは違った状況に奮闘しつつも、彼らは愛やセックス、恋人との関係について、思いもよらなかった教訓を得ることになる。
本作は、バンコクに住むゲイの若者の現代的な考え方に目を向けている---彼らは政治的公正さに欠けるし、健康についての忠告を忠実に守るわけでもない。タイに生きるゲイたちの、現実の姿を描いている作品である。
■ プロデューサーの言葉:
「我々は、検閲の圧力にも屈せず、ゲイの人たち、特にゲイの若者たちに向けて前向きなメッセージを伝える映画を公開するために、懸命な努力を続けてい
る。」こう話すのは、オーナーがゲイである、タイでナンバー1を誇るマルチメディア制作と配給を手掛ける会社のYingyord Manchuvisithディレクターである。「タイの検閲は、ゲイに関する映画を潰そうとしている。同性愛がタイの文化的価値観に反するものだと考えているからだ。」
明らかに検閲側は、同性愛嫌悪をタイ人の一つの価値観として見ている。というのも、ゲイというのは、女装している、滑稽でバカな男たち、という典型的なイメージを抱いているからだ。検閲官たちは、我々の前向きで現実的な描写に不快感を示しているのだ。「誰かがあなた方の映画を見たら、その人がゲイにならないか心配になる。」と言う役人もいる。
本作は、2008年にバンコクで開かれたタイ・クィアショートフィルム・フェスティバルで観客を大いに楽しませた。観客は、気取らなくて現実的で、バンコクの同性愛者の生活を陽気に描いたこの作品を楽しめたと同時に、大切な人に対する信頼や思いやりの気持ちとは何かということを伝えるメッセージを受け取ることができたようである。
■監督プロフィール:
アヌーチャ・ブーニャワタナ

■フィルモグラフィー
1.Love Audition(2008)
2.The Sun Lover(2005)
3.Boy's Love(2005)
4.Down the river (2004)
5.The White Diary(2002)
6.Scarlet Desire(2001)
触れ合う肌と、視線の誘惑…。絡まり合うボクらのデキゴトを描いた作品集!ーービジネスマンのサムと、その恋人ポール。2人の前にイケメンのジグスが現れた時、サムとポールの長く、混乱した関係に終わりの兆しが訪れる…。『一夜限りの関係』は、ゲイカップルの関係における、シリアスで、時に退屈な一考察である。ーー摂氏42度のニューデリー、2人の赤の他人、満員のローカルバス、刺激をもたらす揺れ、手、欲望、目、夢想、人違い…。やがてお気楽で愉快なクライマックスへとなだれ込んで行く、間違い続きのサイレント・コメディ『ロスト&ファウンド』。ーー『流れる川、落ちる花』(AQFF2007で上映)のアヌーチャ・ブーニャワタナの新作、『恋のオーディション』は、バンコクに住むゲイの若者がコンドームと格闘し、やがて愛やセックス、恋人との関係について思いもよらなかった教訓を得る姿を描いたラブコメディ。
■タイトル:一夜限りの関係
■原題:The Longest One Night Stand
■監督:エドアルド・ロイ・ジュニア/Eduardo Roy, Jr.
■制作国:フィリピン/Philippines
■制作年:2006年
■上映時間:20分
■日本公開情報:日本初公開
■タイトル:ロスト&ファウンド
■原題:Lost & Found
■監督:シュレニク/Shrenik
■制作国:インド/India
■制作年:2007年
■上映時間:6分
■日本公開情報:日本初公開
■タイトル:恋のオーディション
■原題:Love Audition
■監督:アヌーチャ・ブーニャワタナ/Anucha Boonyawatana
■制作国:タイ/Thailand
■制作年:2008年
■上映時間:46分
■日本公開情報:日本初公開